ご挨拶
私が小児科医になったころ、子どものリウマチ性疾患はその存在すら知られていない時代でした。1980~1990年代に炎症論の進展に伴い新しく一群の生物学的製剤の開発が進み、各地の先生方に御参加いただき臨床試験をすすめました。現在ではリウマチ性疾患の子どもさんに安全にこれらの薬剤を使用できるようになり、劇的な効果を目の当たりにするようになりました。リウマチ性疾患の診断には病院の高度の検査機器を必要とする部分もありますが、日常的には外来での医療診察や処方が主になります。病院と医院との連携が重要です。リウマチ性疾患の多くは関節や筋肉が痛い、発熱する、だるいなどの症状を訴えますが、やがて全身が痛い、眠れない、朝起きられないなどの症状を訴える子どもさんが現れ始め、これが若年性線維筋痛症との出会いでした。血液検査、画像検査などで異常所見がないことも一因ですが、いまの小児医療に携わる医師たちには難解な疾患であるようで、この疾患も全国から子どもさんが集まるようになりました。そして、最近7-8年前からは、若年性線維筋痛症と同様の身体の不調に加えて不安症やうつ傾向、さらに母親の顔が判らない、通学路を忘れるなどの症状を訴える若年女性が受診するようになりました。いずれもヒト・パピローマウイルス(HPV)ワクチン接種後から始まった症状でした。さまざまな治療を試みてきて、対症療法とはいえ多少とも効果のある治療法も見つかってきました。そこで、これら病気の子どもさんたちとともに健康を回復すべく研究と治療法開発に打ち込むつもりで「湘南よこた医院」を開設することに致しました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
院長 横田俊平
略歴
1975年3月 | 横浜市立大学医学部卒業 |
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1975年4月 | 神奈川県立こども医療センター・レジデント |
1977年5月 | 横浜市立港湾病院小児科 |
1978年6月 | アメリカ・ミネソタ州メーヨー・クリニック(ポストドクトラルフェロー) |
1980年12月 | 神奈川県藤沢市 藤沢市民病院小児科 |
1982年6月 | 横浜市立大学医学部小児科 |
1985年8月 |
アメリカ・ノースカロライナ州立大学 |
1987年9月 | 横浜市立大学医学部小児科 |
2003年4月 | 横浜市立大学医学部小児科(教授) |
2012年8月 | 横浜市立大学医学部 医学部長 |
2014年3月 | 横浜市立大学医学部小児科教授 退職 |
2014年4月 | 横浜市立大学名誉教授 |
2014年4月 | 国際医療福祉大学熱海病院 病院長 |
2015年1月 | 東京医科大学医学総合研究所小児難病室 室長(兼任) |
2016年5月 | フジ虎ノ門整形外科病院こどもセンター(センター長) |
2020年9月 | 霞が関アーバン・クリニック 勤務・新健幸クリニック 勤務(沖縄那覇市) |
2021年4月 | 東京福祉大学社会福祉学部社会福祉学科(教授) |
2022年4月 | 湘南よこた医院開院 |
所属学会・資格
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小児科専門医
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リウマチ専門医(日本リウマチ学会名誉学会員)
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感染症専門医
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日本神経学会員
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日本線維筋痛症学会(理事長)
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日本小児感染症学会(名誉学会員)