若年性線維筋痛症
病名
若年性線維筋痛症(Juvenile Fibromyalgia Syndrome: JFMS)
若年性線維筋痛症(JFMS)はどのような病気か?
若年性線維筋痛症(JFMS)は全身の痛みを訴え、目の奥の激痛とともに突発的に起こる頭痛と後頭部の持続する頭痛、起き上がった途端に始まるだるさ、わずかな動きで生じる疲労感、立ち眩み、フワフワと雲の上を歩いているようなめまい感、朝の起床時に身の重さと身体痛で身を起こせない状態が続く起床困難、昼夜の区別が曖昧になり睡眠の時間がずれてしまう睡眠障害など生活上の難しさが付きまとう病気です。さらに太陽光やLEDライトに曝されると吐き気や頭痛が生じ、不安が付きまとい、集中力がおろそかになり、物忘れを繰り返すことも多くなります。
困ったことに血液検査や頭部CT/MRIなどの画像検査では異常な検査結果がみられません。そこで“こころの病気”という考え方が付きまとってきました。確かに低気圧など気象の変化、生理前、気持ちの動揺やストレス状態で病状は著しく悪化するので、そのような側面がないわけではありません。ところが、最近になって成人の線維筋痛症ではいくつの方法を組み合わせたPET検査で脳の中心部に炎症病変が生じていることが判明したのです。すなわち、この病変により身体全体の機能の調節がうまくいかなくなり、そのために二次的に身体の一つ一つの細胞の働きも悪くなり多彩な症状が生じる原因になっていることが分かってきました。
診断は病気の経過と、診察による全身の筋肉の過緊張状態の証明、特有の18圧痛点の検出、そして他の病気(甲状腺疾患、リウマチ性疾患など)がないという証明によりなされます。
若年性線維筋痛症(JFMS)はどのように治療するのか?
脳の中心部の炎症を抑えることが根本的な治療法になります。しかし、現時点では脳の中まで入る薬剤はありません。しかし、対象療法ではありますが、いくつかの治療方法がさまざまな症状を抑え込むことが判ってきました。また、よほどに体調を崩した場合には、速攻性の注射薬も使用できるようになりました。